サステナブルかつ低コストな未来型炭素繊維の社会実装の実現を目指す株式会社fff fortississimo(本社:、代表取締役:、以下「fff社」)は、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 植田浩輔、以下、「東大IPC」)が運営する国内最大規模を誇る大学・研究機関共催のアクセラレータープログラム「1stRound」の第12回支援先として採択されました。
サステナブルかつ低コストな未来型炭素繊維の早期開発と事業化に向けて
私たちfff社は、世界最高水準の技術力を基盤に、最先端の繊維材料を開発・事業化するスタートアップです。2022年の創業以来、「最先端の繊維材料をあなたの手に」を掲げ、産業用途に向けた高機能繊維の社会実装に取り組んできました。2024年以降、新たに省エネ・新エネ分野で欠かせない素材である炭素繊維の事業化に向けた取り組みを進めています。
炭素繊維は、その軽量性・高強度により、航空・自動車・エネルギー分野におけるキーマテリアルと位置付けられる一方、製造コストがその用途拡大を阻んできました。当社は岐阜大学と九州大学等との共同研究によって確立された低コストかつサステナブルな炭素繊維の製造技術を実用化していくことで、この問題解決に挑むとともに、炭素繊維のサプライチェーンの変革およびインフラやエネルギー、航空機などのモビリティ等、あらゆる産業におけるイノベーション実現を後押しする存在になることを目指して参ります。
未来型炭素繊維の研究開発の現状
当社のコア技術となる新たな炭素繊維の製造プロセスは、創業者であり代表の入澤が、責任者を務めた国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究プロジェクト内で実現されました。岐阜大学と九州大学等と共同で実施をし、既存品と同等の性能を維持したまま、座礁資源と言われる炭素残渣資源などの原料を活用し、サステナブルかつ簡略製造プロセスで低コストな炭素繊維の製造方法を確立しました。なお、入澤は、2022年に岐阜大学内に設立された「フューチャー・ファイバー・ファクトリー(FFF)」の工場長として、大学,公的研究機関では国内唯一の炭素繊維製造パイロットラインを統括しています。
広がる炭素繊維の需要、2030年の市場化に向け本格始動
世界の炭素繊維市場では、2020年時点で約12万トンが生産されており、2030年には水素タンク用途だけで同等量の追加需要が見込まれています。[MOU1] 今後、インフラ、モビリティ、エネルギー分野における持続可能な社会の実現に向け、炭素繊維の安定供給と自国生産体制の構築は喫緊の課題です。
当社は2030年までに未来型炭素繊維の本格的な商用化を目標に、まずは炭素繊維の本格的試作の実現を目指して参ります。企業・政府と連携を深化させ、脱炭素社会を支える革新的素材インフラの確立に挑戦してまいります。
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 1stRound Director 長坂英樹氏の総評
炭素繊維は軽量・高強度・耐久性・導電性を兼ね備えた次世代素材として、航空機やモビリティ、水素エネルギー、インフラなど幅広い分野での活用が期待されています。しかし、1kgあたり5千円前後という高コストが普及の最大の障壁となってきました。fff fortississimoは、この課題を解決するために製造技術そのものを根本から見直し、高性能と低コストを両立する革新的なアプローチを提示しています。代表・入澤教授の研究によりすでに2,000円/kg以下までの製造コスト削減が実現しており、現在は同社独自の簡略プロセスと座礁資源の活用を組み合わせることで、1,000円台での製造実現に向けた技術的な目処が立ちつつあります。国内唯一の炭素繊維製造パイロットラインを活用し、航空機グレードの性能を持つ繊維の安定生産も進められており、自動車メーカーをはじめとした産業界からの関心も高まっています。2030年には国内だけで11万トン、2040年には45万トンという大規模な需要が見込まれる中、同社の技術は炭素繊維のサプライチェーンに大きな変革をもたらす可能性を秘めています。原料、工程、コスト構造を抜本的に見直したまさにアカデミア発の挑戦が、素材産業と脱炭素社会の双方に新たな選択肢を提示してくれることを期待しています。
株式会社fff fortississimo代表取締役 入澤寿平のコメント
弊社は、東海国立大学機構の名古屋大学と岐阜大学で開発した最先端な繊維材料を、いち早く社会実装するために起業したスタートアップ企業です。炭素繊維の業界では、過去半世紀以上に渡り、国内企業のシェアが50%以上と日本が牽引して参りました。しかし、近年では、欧米のみならず、豪州、アジア、中東でも開発が活性化しており、低コスト化の流れに押され、シェアも低下傾向にあります。炭素繊維は、未来を支える燃料電池自動車の水素タンクやドローンなどの新規用途が見込める中で、国内でも低コスト炭素繊維開発の必要性が高まっています。弊社は、世界で類を見ない全く新しいコンセプトで、世界各国で実現成し得ない競争力の炭素繊維の開発とその事業化に挑戦します。そうした背景の中で、「1stRound」プログラムはその事業化プランを確立する上で最適な支援と考えました。この度の採択に大変感謝しており、光栄に存じていると同時に、事業化に対するモチベーションが一層高まり、事業を加速できるものと確信しています。今後も「1stRound」の支援を最大限に活用しながら、事業を推進してまいります。
技術シーズの社会実装を支援、大学・研究機関横断・Non-Equity型、国内最大規模の起業支援プログラム
「1stRound」は、大学に関連する優れた技術や着想の事業化、社会実装を支援する国内最大のアカデミア横断型アクセラレータープラットフォームです。初動を加速させるためのNon-Equity資金支援をはじめ、その事業価値が算定可能な事業体・スタートアップとなるためのハンズオン支援を行うべく、2017年より東京大学を母体に「起業支援プログラム」としてスタートしました。2019年より名称を「1stRound」とし、コーポレートパートナーの参画も得たコンソーシアム形式で展開、その後国公立・私立大学、国立研究機関が参画し、国内最大規模を誇るアカデミア共催プログラムへと進化しています。
過去採択企業の資金調達成功率は約90%以上、大手企業との協業も拡大
「1stRound」では、過去8年半、累計93チームを採択し、会社設立・資金調達を支援してまいりました。支援後1年以内の資金調達成功率は約90%以上、大型助成金の採択率50%以上を達成しております。また、コーポレートパートナーを中心とする大手企業との協業関係の創出にも注力しており、各回半数を超えるチームが協業に至っております。採択企業とコーポレートパートナーをはじめとする様々なステークホルダーを繋げ、双方の知見を活かしたより良いスタートアップ創出のためのコミュニティの醸成とともに、技術シーズを活用したスタートアップビジネス促進の加速を目指します。
また、関連大学の起業家教育プログラムとの連携により、全採択数のうち再応募からの採択は20~25%を占めており、アカデミアからの起業をより後押しする、エコシステム構築を目指しています。
「1stRound」:https://www.1stround.jp
株式会社fff fortississimoについて
fff社は「先端繊維材料をあなたの手に」をモットーに、立ち上がった東海国立大学機構の名古屋大学発ベンチャー企業です。現在は2022年に新設した同機構岐阜大学コンポジットセンター内Future Fiber Factory(FFF:我が社と名前もリンクしています)とともに、最先端技術を駆使した繊維材料開発を進めます。炭素繊維、カーボンナノチューブ等を用いた新素材開発に邁進するとともに、スポーツ材料、自動車産業、航空宇宙産業、その他一般産業分野に向けて社会実装に取り組んでいます。
名称:株式会社fff fortississimo
所在地:名古屋市千種区春岡2-26-15
代表者:入澤寿平
設立:2022年4月1日
URL:https://fff-fortississimo.com/company/
本件に関するお問い合わせ先
社名:株式会社fff fortississimo
担当者名:入澤寿平
メールアドレス:info@fff-fortississimo.com